驕る維新が暴走し続ける

大阪万博開催が決定してからというもの、強気になった維新の会の
暴走が止まらない。

松井一郎太陽の塔世界遺産に」
大阪府知事松井一郎は、11月28日の定例記者会見で、1970年大阪万博
シンボル「太陽の塔」を、次の万博開催となる2025年に世界遺産登録を
目指す考えを明らかにした。
「70年から55年経って(次の)万博を開催する年に世界遺産に登録
されたらストーリーがあって夢がある」

と発言している。

太陽の塔」のような、完成してまだ50年程度しか経っていない
現代アートが、世界遺産というカテゴリに相応しいのかどうか、
という点は、ここでは問わないことにする。
それよりも、太陽の塔」は1970年大阪万博の「人類に進歩と調和」
というテーマに「NO」を突きつけた「反体制」を体現した作品である、

という事実を突きつけておきたい。

岡本太郎は以下のように語っている。

「人類は進歩 なんかしていない。いまの人間にラスコーの壁画が描けるか。
調和? 皆が互いの顔を立てて60点で満足する調和なんて卑しい」
「ぼくはいつも日本の近代主義に腹が立っている。
万博も進歩主義一辺倒だ。だからこそ、そのど真ん中に、どかーんと
まったく正反対のものをぶつけたわけです」
「反博? なに言ってんだい。一番の反博は『太陽の塔』だよ。」
(反体制
の学生や芸術家が「反博」を掲げて岡本太郎を批判したのに応えて)

これを読めば、松井一郎が「太陽の塔」や1970年大阪万博について
何も理解していないのだ
ということがよく分かる。
太陽の塔」は、行政主導の万博とは正反対の位置に立っているのだ。

また、岡本太郎は世界各地の民族などに伝わる仮面や彫像を集め、
万博で展示するという試みを行った。
特筆すべきは、それらをガラスケースなどの中に収納するのではなく、
生で展示したということだ。
本来的に宿っている生命エネルギーや息吹が、ガラスケースの中では
「死んでしまう」と岡本太郎は考えた。
太陽の塔」は、縄文時代土偶から影響を受けたと言われており、
そういった人類のエネルギーの集約的存在である。
そういった経緯を知っているならば、「太陽の塔」を世界遺産
登録しようなどとは思わない。
それはまさしく、太陽の塔」をガラスケースの中に入れてしまうような
野蛮な行為
だからだ。

人間を理解しない権力が、いかに野蛮なものになりうるか、我々は
歴史を通じて学んでいるはずである。

■地下鉄延伸工事費をIR事業者に
大阪万博開催予定地である夢洲まで、地下鉄が延伸されることに
なっている。
その工事費の一部200億円を、やはり夢洲で開業予定であるIR事業の
事業者に負担させる、という方針を、大阪市長の吉村洋文が明らかにした。

総事業費は540億円。
全てを自前で調達できる見込みがないということなのだろうか。
だからといって、事業者に負担を求める、などという話はあまり
聞いたことがない。
200億円をポンと出せる事業者など、限られているだろう。
思っていた通り、ラスベガス・サンズのCEOと松井一郎が仲良く
登壇する姿が見られるようになった。

ラスベガス・サンズシンガポールのカジノ「マリーナベイ」を
経営していることで有名だが、「マリーナベイ」は年々来場者数が
減少している。
シンガポールに見切りを付けたラスベガス・サンズが、次の乗換先として
大阪を選び、そして旨味を得た後に捨てられる、という将来が見える。

■大阪メトロ「夢洲にタワービル 1000億円超」
大阪メトロは、地下鉄延伸による2024年の夢洲駅開業に合わせて、
ホテルやオフィス、商業施設が入るタワービルを建設すると
発表した。
総工費は1000億円超だという。
いまだ大阪市内には、夢洲以外にもいくつもの「負の遺産」が
残っているが、さらなる「負の遺産」候補となりそうな建築物を
建てるらしい。

大阪メトロ自体は、今年の4月に大阪市営地下鉄が民営化されたもの
ではあるが、株式の100%を大阪市保有していることから、
「運営は民間・経営方針は行政」という状態だと言ってよいのだろう。
だから、この事業計画も即座に発表できたのだ。
こうなると、地下鉄民営化という政策も、カジノや大阪万博の開催を
織り込んだ上で考えられていたのだ、ということが想像できる。
もし、このタワービル事業が悲惨な失敗に終わっても、責任は全て
大阪メトロに押しつけて、大阪市は知らんぷりを決め込むのかも
しれない。

そもそも、梅田界隈に充分すぎるほどの商業施設が存在している
というのに、わざわざ夢洲くんだりまで地下鉄に乗って買い物に
行くわけがない。

賑わうのはせいぜい万博開催期間中だけであり、たったそれだけのために
1000億円超も投じるというのだからクレイジーにも程がある。

■「都構想」実現のために出直し選検討
松井一郎と吉村洋文は、「大阪都構想」実現のため、任期途中で
府知事と市長の職を辞し、来年4月の統一地方選との同日でダブル選を
検討していることを認めた。
元々は来年夏の参院選と同日で、「都構想」についての住民投票
行う方針を公明党と協議していたが、合意に到らなかったという。

大阪府議会・市議会においては、自民党は維新と対立しており、
「都構想」に反対、住民投票にも反対している。
ただ、公明党は前回の住民投票には賛成したため、維新としては
公明党を取り込みたかったらしい。
しかし、公明党が前回に賛成したのは、橋下徹「賛成しないと、
公明党候補が立候補する選挙区に、維新の候補を立てる」

脅したからである。
その橋下徹が政界を引退したため、公明党は気兼ねなく住民投票
「難色を示す」ことができたのだ。
とはいっても、参院選に専念したいから、その後ではどうか、と
提案したのみである。

松井一郎
「受け止めることが出来ないビーンボールを返された。
時間切れ終了に追い詰めていこうというのが見え見えだ」

と、吐き捨てるように語った。
元を辿れば、ビーンボールを投げてきたのは橋下徹である。
そして、「時間切れ」も何も、「都構想」は住民投票で一旦否決されて
いるのだから、既に制限時間は終了しているのだ。

にも関わらず、任期途中でダブル選に臨むというのは、経費の無駄である。
「無駄をなくす」という名目であるはずの「都構想」の実現に、
ゴリ押しで無駄遣いを強行しようとしている。

<まとめ>
維新の会は安倍自民の腰巾着である。
安倍自民が得意とする強硬手段への憧憬がある。
そこへ大阪万博開催決定が舞い込み、自分たちにも箔が付いた。
表舞台に立ち、レガシーを残せるようになった。
マスコミも大阪万博を批判しないようになった。
完全に調子に乗り、押せる時に押し切ってやろう、と考えるようになった。
驕り高ぶった権力は腐敗するだけである。