安倍の会見は火に油を注いだ!?

大方の見込通り、安倍晋三衆議院解散の考えを表明した。
そのために昨夜、記者会見を行ったが、その言葉の全てが全て、酷かった。
あれで納得した国民は、安倍信者以外には存在しないだろう。
腹が立ったので、思い切りぶっ叩くことにする。

冒頭、安倍は「アベノミクス」の成果を強調するために、
求人数の増加、就職率の上昇、正社員および非正規雇用の従業員数の増加
というデータを披露した。
しかし、これは団塊の世代が一気に退職し、その一方で少子化の状況が
続いている
ことからくる「人手不足」が原因であることは、多くの専門家が
指摘している。

安倍は昨年、「この国から非正規という言葉をなくす」と言っていたのに、
非正規雇用の増加も「アベノミクス」の成果として語っているのだから、
何をか言わんやである。
実質賃金が目に見えて上昇し、労働環境が改善(ブラック企業の減少など)
されたのではない限り、雇用状況で「アベノミクス」をフォローすることは
できない。

安倍は「働きたいと思う人は、少なくとも一社の企業に入社することが
できる」
と言った。
これは「会社を選ばなければ」という条件付きである。
ブラックとは言わないまでも、労働条件が適合しないケースは多々ある。
そんなことお構いなしに、「お前ら、アベノミクスのおかげで就活が
楽になったのだから、ありがたく思えよ」
と感謝を強要しているも同然である。

何より腹立たしいのは、衆議院解散の理由だ。
来年の消費税増税による約5兆円の税収増のうち、一部を少子化対策に回す
ように変更するのだという。
これを受けて安倍は、
「国民との約束を変更し、国民生活に関わる重い決断を行う以上、
速やかに国民の信を問わねばならないと決心した。28日に衆議院を解散する」

と表明した。

お気づきだろうが、安倍内閣が国民との約束を変更したことは、
これが初めてではない。

記憶の新しいところでは、2016年に消費税増税時期を「新しい判断」という
意味不明な漠然とした表現で、独断で延期してしまった。
日銀の黒田総裁とタッグを組んで行った「異次元金融緩和」は、
2014年に物価上昇率2%を目標としていたが、全く達成には及ばず、
先送りに先送りを重ねて「2018年頃」にまで目標時期が延長された。
安倍の理屈が通用するならば、その都度解散総選挙に踏み切らなければ
ならない。

そもそも、税収の使い道は、国会で議論することである。
議題ごとに「国民の信を問う」のでは、直接民主制に近くなってしまう。
国会の機能の否定である。

もちろん、魂胆は「森友・加計問題」の議論隠しである。
野党の追及が怖いから、国会を開きたくないのだ。
閉会中審査に「出たくない」と言い張った稲田朋美と同じである。

さらに安倍は、北朝鮮問題のおかげで内閣支持率が回復してきていることを
利用して、国民の不安や怒りを煽るような発言に時間を費やした。
その上で、
「民主主義の原点である選挙が北朝鮮の脅かしによって左右されることが
あってはならない。むしろこういう時期に選挙を行うことで、北朝鮮問題への
対応を国民に問いたい

と、この時期の解散総選挙に根拠を与えようとしている。
まさにツッコミどころ満載。

確かに選挙は民主主義の原点だが、それを私的利用しているのが
安倍晋三
である。
政権の延命という私利私欲のために、選挙が悪用されることはあっては
ならないのだ。

北朝鮮への対応を国民に問いたい」といっても、大半の国民は
「こんな時期に選挙をやるな」と思っているのだ。
安倍は「対話より、圧力」と言ったが、具体的な方策は考えているのだろうか
アメリカに「何とかしてもらう」以外に、何もないではないか。
ならば野党とほぼ同じで、選挙の争点になりようがない。

最終的に安倍は、「少子高齢化」と「緊迫する北朝鮮情勢」の二つを指して、
「国難と呼ぶべき事態」と判断して「国難突破解散」と称した。
国民からの政権批判を上手くかわそう、という目論見がはっきり見える。
何しろ、この2点共に、「真剣に取り組む」と言ってのければ、
ひとまず印象は悪化しないからだ。

しかし、「少子高齢化」を、「国難」レベルになるまで
放置していたのは自民党ではないのか?

これまた2016年、「保育園落ちた日本死ね」ブログ山尾志桜里議員が
国会で取り上げた際、安倍晋三
「(ブログの内容が)本当か確認しようがない」
と言って、相手にしなかった。
平沢勝栄をはじめとする自民党議員らも「誰が書いたのか」
ヤジを飛ばした。
まるで「余計な問題を持ち込むな」と言わんばかりだった。

しかも、今回の「少子化対策」に税収増を当てるという中身は、
何と「幼児教育無償化」なのだ。
低所得者層の教育費負担「だけ」が、待機児童問題の原因だと思っているのだ。
保育園の数や保育士の待遇には、全く言及していない。

それぐらい、庶民感覚が欠如しているのだ。

全く中身が伴わない「少子化対策」と、争点になりえない「北朝鮮情勢」を
ポイントに挙げ、党利党略で身勝手な解散を行い、600億から700億もの
費用がかかる選挙
に打って出る、という暴挙。
ここに大義など存在しようがない。

安倍の提灯持ちの田崎史郎は、先週の時点で、
「総理はまだ、解散とは一言も言っていない。大義云々の批判は、
(国連総会から)帰国した総理の会見を聞いてからだ」

と、「安倍サマの意向が全て」との見解を示した。
「7条解散」は違憲、という見方などどうでもよいらしい。

同じく提灯持ちの辛坊治郎は、
解散総選挙大義は大アリ。憲法改正は国民の信を問わないと
実行できない」

と、改憲大義を見出そうとしたが、今回の会見で安倍は憲法改正には
触れなかった

どう釈明するのだろう。
そもそも、安倍改憲案は自衛隊の現状」を追認して憲法に明記する
というもので、9条2項(戦力不保持)を削除するわけではないのだから、
この時期に急いで国民の信を問う意味はない。
国民投票もあるのだから、改憲のために選挙を行う、というのはまるで
意味を成さない。

ここら辺りでとどめておくが、怒りが収まらない。
何でも、東京都内では、安倍晋三の顔がデカデカとデザインされた
自民党のポスターの掲載がとりやめられている箇所が続々と見受けられる
のだという。
自民党の「安倍推しを控えよう」という深謀遠慮なのか、
あるいは掲載拒否のようなものなのかは不明。
ただし、安倍晋三の顔に生理的嫌悪感を抱く国民が多くなっている、
というのは事実であるようだ。

これはひょっとしたら、ひょっとするような、とんでもない結果が
出てくるかもしれない。
「今ならば勝てる」という安易な判断は、「なんだかんだ言っても、
票は獲れるだろう」という驕り
から生じている。
驕る政治家・政党に、今こそ鉄槌を下さなければならない。