「加計疑獄」で安倍を保守したい人たち

『朝生』の百田尚樹発言を批判していこうと思っていたが、やめることにした。
こんな小悪をネタにするだけ時間の無駄というものである。
それより、「加計疑獄」がスゴいことになってきた。

とうとう文科省の職員が「総理のご意向」文書の存在を認めてしまった。
複数の部署で共有していた、と証言している。
ならば共有フォルダに保存されているのではないのか。
たった半日程度で終了してしまった「調査」の実際に、大きな疑問符が付く。

しかも、ここに至っても自民党は「再調査」の要求に応じない。
菅義偉は、
「私の知り得る事実しか発言していない。それ以上でもそれ以下でもない」
という答えになっていない答弁を返している。
文科省職員の証言は、朝日新聞毎日新聞も一面トップで報じているが、
それは「知り得ない事実」なのか?
「知り得ない」のならば、それこそ再調査を行って白黒はっきりしなければ
いけないではないか。

しかも、読売新聞は先月末に、決意の告発を行った前川喜平前事務次官
人格を貶める記事を掲載した。
例の「出会い系バー」に通っていた、というやつである。
あくまで法の範囲内であれば、事務次官であろうとも公務を離れてからの
私生活において、どのようなサービスを利用しようと批判されるいわれはない。

これが問題になるのであれば、公務員はエロ本を買うこともアダルトDVDを
借りることもできなくなる。
むしろ、第四の権力とも言うべきマスコミが、国民の私生活を報じたという
方が大問題
である。

この報道に対して前川氏は「女性の貧困問題を調査していた」と述べたが、
何とそれが言い訳ではなく、事実だということが「週刊文春」の記事で
判明してしまった。
前川氏は週1~3回のペースで「出会い系バー」に通っていたが、
店内に滞在していた時間帯は21時からであり、完全に勤務時間外である。
0時まで滞在して飲食をして帰るだけのことも多く、常連の女性からは
「あの人は何をしに来ているのだろう?」と疑問に思われていたらしい。

その中で、何人かの女性とコンタクトをとって店外に連れ出したが、
女性と食事やお茶をしながら人生相談に乗っていただけで、
性行為は一切ない。
しかも、帰り際に五千円程度のお小遣いまで渡していた。
「女性の貧困問題の調査」は真実だったのだ。

同時に前川氏は、貧困家庭の小学生の勉強を手伝うボランティアに
参加していた。
文科省のトップとして、実に「公務員の鑑」とも言える活動を
行っていたのである。

菅は記者会見で、前川氏について
「権力に恋々としがみついていた」
事務次官が出会い系バーに通うなど、常識的に考えられない」

と発言し、公然と人格攻撃を行っている。
現在は一私人に過ぎない人物を権力が攻撃するなど、民主主義国家では
有り得ない事態だ。

要は前川氏の告発が、あまりにも都合が悪すぎるのである。
証人喚問に出られたら、ひとたまりもないのだ。
だから「こんな人物の証言など、信用するに当たらない」という態度を
貫く以外に方法がないのだ。

これは全て、安倍晋三を守るためである。
安倍晋三を守るのは、自己保身のためである。
権力に恋々としがみついているのは、
安倍内閣の方である。

読売新聞が「出会い系バー」の報道を行ったのは、当然ながら安倍内閣への
援護射撃である。
国民に背を向け、権力にこびへつらう御用新聞に成り下がってしまった。
5月3日に安倍晋三の「改憲案」についてのインタビューを掲載し、
安倍の「読売新聞を熟読してください」という発言が問題となったが、
どうやら読売新聞は安倍の太鼓判を貰ったのがよほど嬉しかったようだ。

この「出会い系バー」報道に関しては、さすがに購読者も違和感を
抱いたらしく、批判が相当数寄せられたようだ。
それに応えるかたちで、6月2日に掲載されたのが社会部長の反論記事で、
「出会い系バーに通うのは、一般常識の上で次官時代の不適切な行為」
「報道すべき公共の関心事」

と主張している。
しかし、元読売新聞記者の大谷昭宏氏は、
「新聞が公共性・公益性のある記事を書くのは当然のこと。
社会部長がわざわざ公共性を主張するのは、新聞の自殺行為」

と批判している。

私はこのブログで、安倍の「熟読」発言に読売が抗議しなければ読売は死ぬ、
と書いたが、その通りになってしまった。
渡辺恒雄だけでなく、政治部長安倍晋三と会食しているそうだから、
まさしくズブズブの関係なのだろう。
読売新聞で読む価値のあるものは「コボちゃん」だけではなかろうか。

関西ローカルの『おはようコール』という番組では、「加計疑獄」について
以下のように表現していた。
「安倍首相は岩盤規制にドリルで穴を開ける、と言っていたが、
加計学園問題の隠蔽こそが岩盤である。
文書、前川氏の証言、文科省職員の証言という3つのドリルでも不充分なのか。
マスコミは粘り強くこの問題を追いかけていかなければならない
実にアッパレな姿勢である。
岩盤規制を批判していた安倍晋三が、岩盤隠蔽に走っているという見立ては
見事だ。

「森友疑獄」と同様、「加計疑獄」も「劣化保守」をあぶり出す
リトマス試験紙のような役割を担うことになった。
「劣化保守」は「安倍保守」と言い換えても良い。
安倍晋三を保守」したいだけである。
信念を失ったメディア、「公」に与しない政治家には見切りをつける
べきである。