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会見の場で私憤をぶちまけた今村復興大臣

またまた安倍内閣の閣僚が失態をやらかした。
今村雅弘興大臣が記者会見の場で暴言を吐いた。

福島第一原発事故による自主避難者に対する国からの支援を3月いっぱいで
打ち切るという発表に対し、記者が「国の責任」を強く問い質した。
そして「無責任だ」という追及に今村は、
「無責任じゃないですよ。ちゃんとやってるじゃないですか」
と、逆ギレしてしまったのだ。

今朝の時点では短くカットされた映像が流れていたので、今村の暴言が
際立っていたのだが、昼以降のニュースでロングバージョンの映像が
公開され、事の成り行きを把握することが出来た。

一部で囁かれている、記者が今村を挑発したのではないか、という見方は
当たっているような気はする。
記者は事前に支援打ち切りの情報を得ていただろうから、責任問題を
投げかけるつもりではいただろう。
ただ、大臣ともあろう人間が感情的になってはいけない、挑発に乗っては
ならない、という意見で収束させてはならない。

あの逆ギレで明らかになったことは何か。
興大臣という立場にある今村が、被災地の復興について自分では何も
考えていなかった、
ということだ。

「国の責任」に言及されてから今村の表情は一変。
記者が「無責任だ」となじった時に、今村の目玉が左右にキョロキョロ動き、
明らかに冷静さを失った
と見て取れた。
これは映像を何度も見たから分かった。

つまり今村は、この記者会見で責任問題にまで質問が発展するとは
考えていなかったのだろうと想像できる。
さらに言えば、今村は自身の任務について、政府の方針や見解を記者会見で
喋ればよいだけなのだろう、と軽く考えていたのではないか、
と疑うことも
出来る。
単なる政府の復興関連のスポークスマンということである。
自分自身の意見や見解は持たない。

だから、責任問題で厳しい質問を浴びせられると、
「そんなこと聞かれたって困る。俺の知ったことか。政府が下した判断を
伝えているだけだ。俺が責められるのは理不尽だ」
といった心理
が働き、一気に場を覆そうとして感情的になったのでは
なかろうか。
もちろん、実際の心理が分かるはずもないが、そう思われても仕方のない
言動だった。
今村が自主避難者を含む被災者についての知識に疎いのは、記者に対する
反論で何ら具体的な表現が出てこなかったことから明らかだ。

その後、今村の感情は一旦は鎮まるが、再びヒートアップ。
自ら「ここは公の場だ」と言っておきながら、当の記者に対する口撃を
続けて私憤をぶちまけた。
完全に自己保身の態度である。
記者会見というものは、記者を通じて国民にメッセージを伝える場だという
ことが完全に頭から抜けているのだろう。

普段から復興支援についての意識を強く持っているのであれば、
「国の責任」に無関心でいられるはずがない。
あの程度の挑発的な質問に動じるはずもない。
ましてや、自主避難者について「自己責任」と平気で発言するなど
常識的に考えてありえない。

今村は70歳になってようやく初入閣を果たしたが、もうそれだけで
「自分に箔がついた」と感じて満足してしまったのではないか。
本来は、それが重要な責務を負った「スタート地点」なのだが、
自身のキャリアの成果として「ゴール地点」だと思ってしまった。
無難に務めていれば、興大臣などは楽な仕事だと舐めていたのでは
ないだろうか。

そうしたいい加減な態度が見て取れたのが、謝罪コメントを発したときの
態度である。
表情がやたらスッキリにこやかになっていて、「つい感情的になって
しまった」と述べたのみ。
意訳すると、
「いやあ、大したことではないのに年甲斐もなく声を荒げてしまって
申し訳ない。少し耄碌してしまいましたかな。わっはっは」

といったニュアンス。
事の重大性を認識していない。
なぜ自分が責められたのかを把握していれば、あんなニヤニヤした表情には
ならない。

官房長官は、政府としては今村を罷免させるつもりはないという
認識を表明した。
山本農相、金田法相、稲田防衛相に続く4人目の大臣罷免相当案件である。
弛緩しきった内閣は、あちこちからほころびが出てくる。
後は野党がどれだけしっかりと与党を追い込むかだ。
国民は無関心であってはならない。