権力を批判しなくなった毎日新聞

自宅では毎日新聞を購読しているのだが、昨年末あたりから様子が
おかしい。
あからさまに安倍政権にすり寄り、提灯記事としか思えない内容が
目立つ
ようになった。
本来は左派新聞であり、それでなくとも権力を監視して批判するのが
マスコミの務めであるはず
なのに、全く逆のスタンスに陥っている。


「IR法案」の時は、IRによるインバウンドの増加が日本経済の一助に
なると信じ込み、ギャンブル依存症や治安維持といった課題を
克服しさえすれば未来が開けるような書き方がなされていた。


ただ、はっきりと潮目が変わったのは今年に入ってから。
「平成」の元号は「平成30年」まで、という政府の方針が発表
されると、目の色を変えて「元号を変える手続き」「過去に挙がった
元号の候補」といった記事を掲載。
昨年までは「考・皇室」という連載で天皇陛下や皇室についての
歴史や基礎知識を丁寧に解説しており、尊王心を感じさせる紙面づくり
だったのが、一転してしまった。
皇室典範改正派だと思っていたのだが、「とりあえず退位が実現すれば
それでよい」という立場に後退してしまった。

これは安倍政権と同じ考えである。


今日の朝刊では、「民進 典範改正を強調 退位全体会議 孤立化に
危機感も」という見出しで、このように書いている。

(前略)
与党が主張する特別立法に共産党も柔軟姿勢を示すなか、民進党
孤立しつつある。
(中略)
民進党は全体会議で退位について「天皇の意思」など3要件を典範に
盛り込むよう求めたが、自民党は「退位の具体的な要件を定めることは
困難」と賛同せず、共産党も「天皇の意思は退位を認める根拠では
ない」と突き放した。
民進党の孤立感は際立ちつつあり、自民党幹部は「自民も共産も
歩み寄っているのに民進は全然変わらない」と皮肉った。

(後略)


あくまで典範改正を主張し続ける民進党が、悪者扱いである。
陛下のお気持ちを忖度すれば典範改正しか道はないのに、
与党に妥協して速やかに退位を実現させろ、と言っている。
「柔軟姿勢」を示す共産党を見習え、と言っている。
「考・皇室」で皇室典範について解説していたのは、何だったのか。
与党の勝ち馬の尻に乗りながら野党を批判する、というスタンスは
メディアとしていかがなものなのか。


さらに3月6日(月)には「森友学園問題」について、山田孝男という
筆者(記者なのか解説委員なのかは知らない)が、驚くべき記述を
している。

(前略)
首相は森友優遇の意図はないという。当然だ。
首相が目指す<保守政治>の理想は、学園が振り付けるような浅薄、
非常識なものではないと、もっと力強く言ってもらいたい。


何と、この期に及んで安倍晋三を擁護している。
森友のアナクロ全体主義こそが悪いのであり、安倍の「保守政治」は
別物だ、と言っている。

安倍の「私と妻は被害者」という主張を丸呑みしてしまっている。
「教育方針に私も共鳴した」という安倍晋三の国会答弁、「主人も
大変に教育熱心な方だと言っている」
という安倍昭恵の講演における
発言を忘れてしまっているのだろうか。


そもそも毎日新聞は「森友学園問題」の報道において、政治の関与を
追及する矛先が非常に鈍い。
学校設立の認可・不認可、建築費用の虚偽報告など、行政手続きの
不備や瑕疵について社会面で報じているが、政治面での扱いは小さい
安倍晋三の国会での醜態、籠池理事長の参考人招致の与党断固拒否、
といったフォーカスすべき内容を、ことごとく目立たないように
掲載している


「そんなつもりはない」と毎日新聞の政治部は言うのかもしれないが、
実際に紙面を読んでそのように感じるのだから仕方がない。
ちなみに、問題発覚してから3週間余りが経過しているが、その間に
社説でこの問題を取り上げたのはたったの2回である。
一面トップに取り上げた回数も、他紙に比べて極めて少ない。


毎日新聞の幹部は、自民党執行部と通じているのか?
安倍晋三の食事会に招待されたことがあるのか?
あるいは、民進党は支持率が低いから「叩けば読者に受ける」
「購読者数が増える」とでも思っているのか?
ネトウヨや自称保守に媚びているのではあるまいな?

どの新聞を購読するかという決定権は私の親が持っているので、
ひとまずは静観しておく。
反面教師として、毎日新聞の退廃ぶりを眺めるのも一興である。
しかし、現状を打破できないのであれば、自浄作用を失った
利己的な組織に堕落した
、と見なすしかない。
毎日新聞は、メディアとして瀕死状態である。