保育園ブログを選んだのは不適切なのか

新語・流行語大賞」で「保育園落ちた日本死ね」というフレーズが
ベスト10内にランクインしたとして、選考委員を務めた俵万智氏が
バッシングされているらしい。
例によってネット民の仕業だが、
曰く「"死ね"という言葉はふさわしくない」
曰く「つるの剛士のツイートが正しい」
曰く「流行語というほど流行っていない」
曰く「政治的主張はよそでやってほしい」
等々。


こういう主張をしているのは国民の中でもごく一部なのだろうと
思いたいが、とにかく鈍感な連中であることには間違いない。


俵氏のコメントを読めば「こんな言葉を使わなくてもよい社会に
なってほしい」とあるのだから、「死ね」が乱暴な言葉であることを
承知の上で敢えて選んだのだ
、ということは明白である。
それすら読み取れず、ネット民は「反日」扱いするのだ。


言っておくが、現在の劣悪な子育て環境を黙認することの方が
よほど反日である。

ネット民は「自分は日本人である」ということだけを拠り所にして
他者を批判するから、すぐに「反日」という言葉を使いたがる。
俵氏の現代社会を憂慮した言動のどこが反日なのか、きちんと説明できる
のだろうか。


また、ネット民は物事を「白黒」でしか認識できない。
タレントのつるの剛士が「日本死ね」ランクインに苦言を呈したことに
乗っかかり、「こちらが正しい。選んだ奴が悪い」というガキのような
善悪論に陥ってしまう。
ネット世論が「つるの支持」に傾いたから、自分の価値観はさておき
そのセーフティエリアから他者を批判するだけである。


これもきちんと強調しておこう。
つるの剛士の言い分は正論である。
ただし、つるのは成功したイクメンタレントである。
つまり、あくまで「勝者から見た正論」でしかない。
自身の収入で充分に家族を食べさせることができるし、会社員のような
縛りがないからイクメンとしての時間を割く事も出来る。
ここまで子育て環境に恵まれている国民は、ほんのわずかだろう。


だが、現在の日本においてはこの環境がもっと広がる必要がある。
少子化では国力が衰えてしまう。
そのための子育て支援は急務だし、雇用情勢の改善も必須だ。
ところが安倍晋三は例によって「口だけ」だから、実際には何の対策も
行っていない。
何かやっていても実績が出てこない。
そんな状況で吐き出されたのがあの言葉なのだから、言葉遣いは悪くても
真実を映し出しているのだ。


私は、つるの剛士の言い分は正論であると同時に、選んだ俵万智氏の
感覚も正しい、と思う。

どちらかが善でその反対が悪、などといった単純な図式が成立する
問題ではない。
しかし、白黒判断しかできないネット民には、それが分からないのだ。


その他、「実際に流行っていない」とか「政治的主張をするな」とか言う
連中は、尻馬に乗って叩きたいから叩いているだけである。
「流行語」というのはあくまで看板であって、正確には「その年に話題に
なった言葉」が選出されるものである。
過去においても「集団的自衛権」とか「特定秘密保護法」とか
アベノミクス」など、流行ってもいない政治用語が選ばれた例は
いくらでも存在する。
ただ、自民党批判に繋がる言葉が選ばれた途端にネットから反対意見が
出てくるのは、ネット民のネトウヨ気質のためなのだろうか。


そういえば、「民主党政権時代に比べれば待機児童数は減っている。
これは現政権がきちんと対策を講じたからだ」などというコメントも
見受けられた。
「減っている」といっても有意性のある減少なのか分からないし、
そもそも何故いまだに民主党政権時代と比べる必要があるのかも不明だ。
安倍政権もいろいろ問題があるけれど民主党政権よりはマシ、と
思いたいのか?
そこまでして安倍政権を肯定したいのか?
過去はともかく「現政権が現状に対してどのような政治を行うか」
重要なのではないか?


結局、「民主党民進党サヨク=悪」という認識だけで自民党
支持してしまっているから、大局的に物事を考えられないバカが
増えているのだろう。
だから、自民党に楯突く奴は皆「悪」「サヨク」「反日」と見なすのだ。
先にも書いたが、こういう鈍感な「権力の犬」こそが最大の反日
あるのだが。


最後に、ある程度は批判されることを覚悟しながら保育園ブログの言葉を
選んだ俵万智氏の勇気に敬意を表したい。
プロがリスクを冒してでも「何かを残す」という行動をとることの意味は、
ノーリスクで言いたい放題の大衆ネット民には理解できないだろう。