ザッカーバーグのドレイとして「働く」Facebookユーザー

私事で恐縮だが、先月に44歳の誕生日を迎えたのを機に、
Facebookを退会した。
mixiはとっくに退会を済ませていたし、Twitterはやっていないので、
完全にSNSとは縁を切ったことになる。

それから今日に至るまで、日常生活が如何に自由で楽しいものに
なったことか。
もし、最近になってSNSが面倒になってきたとか、コメント欄で不毛な
議論をしてしまったという経験をお持ちの方は、思い切って辞めてしまう
のをお薦めする。
いきなり退会するのは抵抗があるのならば、2~3週間ぐらいSNS断ちを
試みてみよう。
何ら不便を感じることがない、ということが分かるはずだ。


もう、毎日「お友達」がアップした日記や写真に「いいね!」を付けて
回る必要はない。
自分の日記や写真に「いいね!」が付かなくて拗ねることもない。
自己承認欲求丸出しの投稿に苛立つこともない。
ネットならではの「ほぼ毎日の繋がり」から生じるストレスから
完全に解放されるのだ。


Facebookの「お友達」登録は、大抵は面識のある人に限っている
ことだろうと思う。
本当に仲が良ければ、年一回の年賀状のやり取りやたまの飲み会などで
充分に繋がりは維持できるはずだ。

実際に会った時に、「つもる話」をして居酒屋や喫茶店に平気で
2~3時間も居座るのが楽しいのである。
逐一、近況報告をチェックする必要はない。


また、こうしたSNSの大きな問題点は、投稿内容に他者がどれだけ関心を
抱いたか、が可視化してしまった
ということだろう。
「いいね!」の数、フォローやリツイートの数など、気にしないように
思っていても、やはり数が多い方が嬉しい。
他者の投稿にやたら「いいね!」が付いていると、変に羨ましくなって
しまう。


また、Facebookは昨年あたりから「いいね!」以外のリアクションを
追加した。
「超いいね!」や「良くないね!」といったものなのだが、
これらを器用に使い分けている人はどれぐらい存在するのだろうか。
「いいね!」ではなく「超いいね!」を選ぶ基準は何なのだろうか。
こういったことが気になると、「何だ、「超いいね!」を付けてくれた人は
いないのか……。自分としては大ニュースだったんだが」といった
齟齬が生じる。


要するにSNSは、本来は円滑であった人間関係をギクシャクしたものに
変えてしまう可能性がある
のだ。


こういったことに気づいた時、いかに無料で利用できると言っても
Facebookを続ける意味や必要性は無いと判断したので、さっさと
退会してしまった。
やはり、タダほど怖いものはないのだ。


ちなみに、Facebookの創業者であるマーク・ザッカーバーグ
広告収入で巨万の富を得ている。
Facebook社の今年度の営業利益が30億ドルぐらいだったか。
モノ作りの会社とは違って設備投資などには金がほとんどかからない
だろうから、そっくりそのまま自分達の所得となる。
というか、社員は普段、どれぐらいの仕事をしているのだろう。
たまに不具合が発生したら、それを修正するぐらいなのではないか。


以下は私の想像であるが、Facebookの広告収入に絡む戦略は巧妙な
ものだろう。
外部サイトを閲覧している時でも、シェア用のfボタンを見つけると
ついついクリックしてしまう。
「この記事が気に入った」という意思表示の何気ない行動だが、
恐らくこれだけでFacebookにいくばくかの広告収入が発生する。


Facebook入会時に、プロフィール蘭でお気に入りのミュージシャンとか
テレビ番組などを入力して「いいね!」を付けることになるが、
これも収入の一環になるのかもしれない。
実際、そこで選んだものにちなんだ記事やリンク先が自動的に
配信されてくるので、それをクリックすればまたまた広告収入、である。


つまり、Facebookはユーザーが盲目的に関連サイトをクリックする
ことで収入を得ている。

全世界でFacebookユーザーが何億人存在するのか知らないが、
彼ら彼女らが毎日一生懸命「クリック」という動作を行うことで、
ザッカーバーグのもとには寝ていても金が入ってくるのだ。

その行動を誘発するために、無料で利用できるユーザー同士の
コミュニケーションツールを開発したに過ぎない。
これは、全世界規模のアフィリエイトみたいなものだろう。
グローバリズム万歳、といったところか。


この構造に思い当たると、ますますFacebookを続けるのがバカバカしく
なってしまった。
わざわざストレスを感じつつも、ザッカーバーグをより富ませる行動を
続けるだけなのだから、百害あって一利なし、だ。


さらに突っ込むと、Facebookのセキュリティについて、そこまで楽観的に
信頼してしまって良いものなのだろうか、
と思う。
今年の夏頃だったか、Yahoo!の会員情報が流出した、というニュースが
流れた。
だったら、Facebookが新手の悪質なハッカーに狙われる、という可能性も
あるのではないだろうか

しかも、Facebookは原則的に実名登録である。
顔写真を掲載している人も多いし、住所やメールアドレスといった
個人情報が含まれている場合もある。


「情報流出」でなくとも、何らかの裏ツールで情報を読み解かれる
可能性だってある。
何しろ世界最大のSNSなのだから、どんな人物がメンバーとして登録して
いるのか、分かったものではない。

入会にあたって審査など存在しないのだから、テロリストやサイコパス
犯罪者などが忍び込んでいることも考えられるだろう。


かく言う私も、以前までは「そこまで極端な事態は起こらないだろう」と
楽観的に利用していたのだが。
でも、退会して客観的にFacebookを眺めてみると、コイツはネット社会が
生み出したとんでもない怪物ではないか、という気がしてならない。


「人工的に垣根を乗り越える」というグローバリズム自体、
カオスを引き起こす可能性が高い
のだが、コイツは目に見えない
バーチャルなグローバリズムだから、下手するととんでもない事が
起こるのではないか、と恐ろしくなってしまう。
抱える必要のないリスクは、排除してしまうに越したことはない。