天皇陛下を侮辱する「専門家」連中

天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」が会合を開き、
専門家からヒアリングをとっている。
11月7日と14日に行われ、来週に3回目が予定されている。
その内容が新聞に掲載されているのだが、あまりにも不敬かつ傲岸不遜な
意見が目立ち、開いた口が塞がらなかった。
ヒアリング対象の専門家リストが発表された時点で暗澹たる気持ちに
なっていたが、それにしても酷すぎる。


いわゆる「生前退位」(「譲位」と表現したほうが良いのだろうけど)に
ついて、昨日までで11人中6人が明確に反対。
1人が条件付きで賛成。
積極的に賛成しているのは4人だけだ。
また、皇室典範改正に賛成しているのはたったの2人。
他は特別立法で対応、あるいは現皇室典範で可能な限り対応、という
意見が出された。


国民の意識との乖離がすさまじい。
「保守」を自称している連中は、「自分は天皇よりも偉い」「国民は感情に
流されるものだ」という極めて傲慢な態度を貫いている。
さすがに腹が立つので、きちんと書いておく。


平川祐弘・東京大名誉教授

天皇は続くことと祈ることに意味がある」
「退位せずとも高齢化の問題への対処は可能で、ご高齢の場合にも
摂政の設置を認めればよい」
「休んでもらっても、象徴としての意義は後退しない


大原康男国学院大名誉教授

「公務負担の軽減については各皇族で分担し、量的な軽減を図り、
方式も随時改めるべきだ」
「(世論の退位の支持について)陛下を楽にしてさしあげたいという
心情が先行している。このような空気だけで判断していいのか疑問だ
「(人道的側面という見地について)天皇の制度自体が基本的人権
例外であり、その例外の中で考える必要がある」


渡部昇一上智大名誉教授

「昔から天皇の仕事の第一は国民のために祈ることだ。
国民の目に触れるような活動はありがたいが、そうする必要はなく、
任務を怠ったことにはならない

「皇太子が摂政になれば問題なくスムーズにいくので、皇室典範通りに
すればいい」
「(摂政天皇の併存について)天皇はそのままいらしてお祈りを
続けており、元号もそのままだから問題はない」


笠原英彦・慶応大教授

「臨時代行の要件である精神または身体の疾患を内閣の判断で弾力的に
運用
し、外国訪問と病気療養以外に拡大できるのではないか
摂政設置要件の重患を拡大解釈できるなら一つの方策だ」
「退位は天皇の地位の不安定化や二重権威、象徴の形骸化などの問題があり、
認められない」
皇室典範はほかの法律と同じような立法過程を考えてはならず、
国論を二分するような形は避けなければならない」
「(摂政長期化による二重権威について)長期になった場合は、そのときに
方策を考えなければならない


桜井よしこ・ジャーナリスト

天皇の役割は国家国民のために祭祀を行うこと。
何をなさらずとも、いてくださるだけでありがたい存在」
「譲位ではなく摂政を置くべきだ」
「長寿社会だからこそ、昭和天皇のように最期まで責任を果たされるのが
望ましい

「国民の願いはご苦労を減らしたいということだ。
摂政の設置で可能なら、どうしても退位とはならないのではないか」


今谷明帝京大特任教授

天皇は存在自体が重大、貴重なもので、国事行為、公的行為は必ずしも
天皇自身でなされる必要はなく
、皇族が代行しても指し支えない」
「ご高齢の現状を鑑みて、臨時代行こそ最も適した対応であり、
摂政設置には及ばない」
天皇制は長い伝統を踏まえてできたものであり、権威の分裂がないとは
言い切れない」
天皇陛下のご公務は一代限りと考えるべきであり、縮小していく
必要がある


上で晒した6人が、「自称保守」の逆賊どもである。
こいつら、自分達を何様だと思っているのだろう。
天皇陛下に対して、「公務はやらなくていいから。祈ってくれれば
それでいいから」と勝手に行動を制限しているのだ。
陛下が「象徴天皇のあり方」について考え、国民に寄り添うという
行動を選び、そしてそれが「幸せでした」と述べておられる「お気持ち」を
完全に無視している。


そういう立ち位置ならば、あの玉音放送以前から「公務を減らせ」と
主張していればよいではないか

陛下は2012年に冠動脈バイパス手術を受けられたが、その時にでも
「健康面が心配だから」と公務削減論や摂政設置論をぶちまけていれば
よかったではないか。
パラオやフィリピンといった激戦地への慰霊訪問も、
「海外への長旅は危険」と警告すればよかったではないか。


その場はお茶を濁しておき、陛下が「お気持ち」を表明されてから
イチャモンをつける、という実に卑怯な連中である。

そんなクレーマー気質な連中が、「専門家」面してよいものだろうか。


平川祐弘は、公務はいいから祈り続けろ、と言っている。
陛下が敢えて公務を行う、という主体性すら否定している。
「休んでもらっても」という表現はあまりにも高飛車だ。
「象徴としての意義」は平川が決めることではない。


大原康男は、公務を皇族で分担しろ、と言っている。
公務を何だと思っているのか。
被災地慰問や戦地慰問などは、天皇皇后両陛下だからこそ意味があるのだ
海外からの要人との接見のみ、国の数が増えたから一部を皇太子殿下が
代行している、というぐらい。
軽々しく「分担」できるものではないだろう。
また、世論の「空気」を危険視するのは、国民を「無知蒙昧な大衆」扱い
している
だけだ。
庶民感覚を蔑ろにして、「専門家」として完全に思い上がっている。
そして、天皇には人権がないから人道的配慮など不要、と断じている。


渡部昇一桜井よしこ今谷明に至っては、天皇の存在そのものが
ありがたいのだから目立ったことはしなくてよい、とまで言う。
陛下の「象徴天皇としてのあり方」を全否定し、公務を「必要がないこと」
「ご苦労」と言い換えている

渡部は皇室典範を絶対不変の「この世の定理」のように崇め奉っている。
それが陛下を苦しいお気持ちにさせている、ということが全く分かっていない。
桜井は以前までは「条件付きで退位容認」だったのが、
一転して「退位反対・摂政設置」に回った。
こんなブレブレの立場でも、「専門家」扱いされるらしい。


笠原英彦は皇室典範を可能な限りに拡大解釈しろ、と言う。
そんなことをすれば皇室典範そのものが形骸化してしまうのだが、
そこは全く考慮に入れていない。
しかも、摂政が長期化すれば「そのときに方策を考える」という
後手後手の対応を主張。
ある意味では「専門家」でないと思いつかないような奇手である。
ちなみに、皇室典範改正において世論は八割近くが賛成しており、
国論を二分することにはならない。


ここまで書けば、連中がどれだけ傲慢であるか、ご理解いただけるだろう
と思う。
恐らく過去において、「保守」を名乗る人間がここまで明確に天皇陛下
否定したことはなかっただろう。
というか、こと「天皇制」に限って言えば、連中は保守でも右翼でもなく、
左翼に近いのではないか

何しろ「天皇よりも自分の意見のほうが正しい」と主張しており、
皇室の存続については何も考えていないのだから。
天皇制反対」を明確にしていて、この問題について口を挟まない
共産党の方が、立場が首尾一貫していて実に潔い。


ちなみに、大原・渡部・桜井は日本会議と深い関係にある(正式なメンバー
かどうかは未確認)。
日本会議は明治政府の体制を理想とする右翼集団である。
連中が「退位反対」を主張するのも、旧皇室典範に退位の規定が無かったから、
という要因が大きい。
要するに自分の頭で考えているのではなく、「拠り所」をコピペしているに
すぎない

最初から結論ありき、なのだ。


そんな彼らを「専門家」として推したのは、もちろん安倍内閣である。
安倍を始めとして、ほとんどの閣僚は日本会議国会議員懇談会
加盟しているから、彼らは政府からの差し金なのだ。
安倍は日本会議を後ろ盾にして、皇室をも蔑ろにしようとしている。
ネトウヨ諸君は、それでも安倍内閣を支持するのだろうか。


なお、皇室典範改正には、心配されるほどの時間はかからない。
安保関連法案やTPP法案がここまで短時間で作成されるのだから、
その気になれば今国会で提出することも可能だったのだ。
共産党社民党あたりが反対するだけで、余裕を持って可決できただろう、
と思う。