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「見えない貧困」に怒り狂うネット民

何でもNHKの『ニュース7』で放映された「貧困女子高生」を取り上げたニュース
がネットでバッシングされているらしい。
曰く「貧困家庭に見えない」のだそうだ。


私は映像を見ていないのだが、ネット記事でどこが批判されているのかを知った。
それによると、
「エアコンが設置してある」
「部屋にアニメグッズがある」
といった程度でネット民が反応してしまったのだ。
そして、おせっかいな「自警団」が、
「親に買ってもらったパソコン用キーボード(パソコン本体は高価なために
買ってもらっていない)は1,000円と言われていたが、同じ製品がアマゾンでは
4,500円で売られていた」
と「報告」する。
それを受けてなのか、女子高生のツイッターアカウントが晒され、
スマホ持ってる」
「音楽ライブに参戦した」
「1,000円のランチを食べていた」
といった「報告」が上げられて、そのアカウントは炎上。
さらに自宅まで特定されてしまうという騒ぎに繋がっている。


今年に入ってから、あからさまに「不寛容」「妬み」といった負の感情で
パンパンに膨らんだネット民が急増しているが、この一件は顕著である。
これを書き込んでいる連中は、「これなら、自分の方が貧しい」と
「パソコンやスマホで」アピールしたいのだろうか。


大きな問題として、ネット民はこのニュースの趣旨を理解していない、
ということが挙げられる。
テーマは「相対的貧困」なのである。
戦後間もない時代に見られた「絶対的貧困」ではない。
つまり「見た目では分からない貧困」なのであり、そういった家庭が
増えている、ということなのだ。


だから、エアコンやスマホといった生活必需品があるのは当たり前だし、
お小遣いを貯めてアニメグッズを買ったりライブに参戦するのも可能である。
でも、パソコン本体は変えないし、大学進学も諦めざるを得ない。
継続的に嗜好品を買うことも難しいだろう。
いかに日本がデフレとはいえども、こういう家庭が増えてしまうと消費が
冷え込んでしまう。
当然、年金政策にも影響が出る。


つまり、国家レベルの経済に絡む問題で、この女子高生の家庭がどうなのか、
といったピンポイントレベルの問題ではない。
ネット民はこうした基礎知識を知らない上、自民党片山さつきツイッター
このニュースを批判したから、ネトウヨとしてそれをフォローしているに
過ぎないのだろう。


こんな格差社会をもたらしたのはアベノミクスだと言われている。
しかし、何しろ「目に見えない問題」なので、アベノミクスは失敗だと
批判しづらい。
結局、安倍首相がのうのうと「アベノミクスは着実に効果を出している」と
言えてしまうのだ。


あと、貧困家庭を見せるのならば、視聴者に「これは大変だな……」と
理解しやすい例を取り上げろ、とネット民が主張しているようにも思える。
でもこれ、単純に言って「現状と異なる内容を敢えて見せる」のだから、
ネット民が普段から批判している「やらせ」「演出」と同じである。
また、『24時間テレビ』で批判されている「障害者頑張ってるアピール」にも
通じるところがある。
分かりやすく感情移入させて訴えろ、ということか。


恐らく、ネット民は「何か叩いてやろう」という意識しかないから、
自分で積極的にこの問題について考えようとしない。
やっている事は陰湿ないじめ行為なのだが、本人たちとしては日常生活の
憂さ晴らし程度の感覚なのだろう。


もし、こうしたネット民の大半が男子なのだとすれば(あくまで仮定である)、
日本男児も地に墜ちたものである。
結婚どころか女性と交際する意欲もなく、性欲はDVDなどで適当に処理し、
あとはネットとスマホゲームが娯楽の中心、という生活が透けて見える。
これで「保守本道」のつもりなのだから、片腹痛い。


かつて「これからは女性の時代」と言われていたことがあったが、
今の日本はとっくに女性の時代が到来しているのではないだろうか。
環境や条件さえ許せば、女性は充分に輝ける下地が出来ている。
ただ、それを本能的に悟ったのか、バカな男どもが一生懸命に女性の活躍を
邪魔している
のだ。
こんな国、世界中でも日本だけなのではあるまいか?


今回の「貧困女子高生」と、「貧困ではない」とバッシングしたネット民どもが、
10年後や20年後にどのような生活を送っているのか、ある意味楽しみである。