天皇陛下の「生前退位」

色々と書きたい内容が溜まっている中で、超弩級のニュースが飛び込んできた。
天皇陛下が「生前退位」の意向を示された、というのだ。
実は、天皇や皇室についてきちんと知っておくべきだと思い、
小林よしのり著『天皇論』(小学館文庫)をむさぼり読んでいたところである。
知らなかった事実があまりにも多くて、目からウロコ状態の時にこのニュースだ。
何というタイミング!


実際のところ、天皇陛下はもう82歳とご高齢なのだが、皇室祭祀と公務は大変な激務
である。
公務に属する「海外要人との接見」だけでも、昨年は250回以上行われたらしい。
それに加えて、今年ならば熊本地震の被災地慰問や大東亜戦争の戦地となった
フィリピン訪問など、あちこち飛び回られている。


恥ずかしながら私は、こうした公務が主な国事行為で、皇室祭祀はささっと
済ませられるものだと思い込んでいた。
しかし、『天皇論』を読むと、皇室祭祀が如何に大変な行為であるかがよく分かる。
年間に執り行われる回数も多いのだが、中でも「神嘗祭(かんなめさい)」と
新嘗祭(にいなめさい)」は非常に重要度が高く、これらが存在するからこそ、
我々国民が安寧に生活できるのだと言ってよい。


でも、皇室祭祀については、ニュースではほとんど取り上げられていないというのが
現実。
だから、私のように全く無知だったという国民も多いと思う。


実際、『天皇論』を読めば読むほど、なぜこれを義務教育で教えないのだろう、
と憤りさえ感じる。
いやそもそも、私が小中学生だった頃(1980年代)は、
「戦前の天皇は何者も逆らうことのできない神様でした」
「戦後になって天皇は人間であることを宣言しました」
という、大嘘がまかり通っていたのだ。


そんな「戦後民主主義教育」を受けてしまうと、
天皇制って、何のためにあるんやろ?」
「国の予算で皇室を養わなあかんなんて、不合理や。なくてもええやろ」
という不届きな考えに到達してしまう。


これらは全て、天皇や皇室を「革命で民衆が打倒すべき特権階級」と見なす
日本共産党のでっち上げである。
天皇制」という用語も、存廃を議論する対象としての「制度」として捉えた
左翼の造語らしい。


こんなことだから、テレビの報道番組で共産党の某議員が
天皇制を一つの家系で継続させるには限界がある」
象徴天皇制の可否については、いずれ国民投票にかけるのがよい」
などと平気で発言し、それを誰も咎めない、という事態が発生するのだ。


そういえば、国歌「君が代」についても、天皇の治世が長く続くことを願った歌
だから良くない、と教わった。
正直、それの何が良くないのか分からなかったが、これまた大嘘だと分かった。
これまた『天皇論』で知った事実だが、「君」は「自分にとって大事な人」を
意味するのみであり、江戸時代には庶民の間で非常にポピュラーな歌だったのだ
そうだ。
当然ながらイデオロギーなどとは一切無関係で、非常に美しい内容だ。


こうして正しい知識を得ると、偏見に満ちた嘘を垂れ流してきた左翼教師には
はらわたが煮えくり返る。
自身の思想や信条について客観的に省みる、ということのできない連中なぞ、
教師になる資格はない、と言いたい。
でもまあ、昨今は主にスポーツの現場で「君が代」が歌われることが増え、
アスリートも「日の丸を背負って頑張りたい」と普通に言えるようになったので、
少しは状況が改善してきたのかな、とも思う。


少し話がずれてしまったが、要はこれを機に国民皆が、天皇についてしっかりと
正しい知識をつけていこうではないか、と提言したいのだ。
だって、日本という国の成り立ちに深く関わる存在なのだから、日本人ならば
知っておくべきだろう。
同じ「元首」に属するといえども、あくまで「世俗の存在」であるイギリスや
オランダなどの国王とは全く意味合いが異なる、ということも含めて、
きちんと学校で教えていってほしい。


そして、皇室祭祀はタブーでも何でもないのだから、マスコミできちんと報道される
風潮になればいいな、と思う。


天皇論』はようやく後半にさしかかったが、帯の文句通り「全国民必読!」と
言ってよい名著。