「共謀罪」ではテロを防げない・対策にもならない

安倍晋三が19日に国会閉幕に伴う記者会見を行い、「謝罪と反省」の意を
表明したらしい発言をした後、質疑応答において相変わらず判で押したかの
ように「テロ等準備罪はテロ対策に必要」と言っていた。

しかし、繰り返し強調するが、共謀罪」ではテロを防ぐことは出来ない。
100%不可能と言ってよいだろう。
以下、根拠を述べる。


1)条文も文言もない
共謀罪」の法案には、テロに対応する条文が一つも含まれていない
そもそも「テロ」や「テロリズム」という文言すら見当たらない
そこを突かれたため、政府は慌てて適用対象をテロリズム集団その他」
規定したが、「その他」とある以上は、結局は一般人の組織や団体も対象と
なりうる、というだけのことである。
条文の中で「テロに特化する」という縛りは存在しないし、
「一般人は対象にならない」という規定も存在しない。

2)単独犯は対象にならない
「組織的犯罪集団」でなくてはならないので、テロだろうが殺人であろうが
単独犯は「共謀罪」の取り締まりの対象にならない。
イギリスでは先日、白人が車を歩道で暴走し、ラマダン帰りのイスラム教徒を
襲撃する、というテロが発生したが、現時点ではあの事件は単独犯との
判断が下されているため、「共謀罪」の対象外になる。
もっとも、殺人のような重大犯罪については、日本には予備罪、未遂罪が
既に存在する。

そういった現行法で充分にテロ対策になりうるし、TOC条約締結も可能、
ニコス・パッサス教授は判断している。
不必要な法律を徒に追加しても、国民の生活が脅かされるだけである。

3)イスラム過激派を監視したところで……
ヨーロッパ各地で発生しているテロは、ほとんどがイスラム過激派による
犯行
である。
よって、日本でもテロが発生すると仮定し、それを未然に防ぐとなれば
当然ながら警察の監視対象になるのは専ら日本に入国したイスラム教徒
となるはずである。
しかし、重大な障害が存在する。
それは、言語だ。
彼らの母国語であるアラビア語ウルドゥー語ベンガル語キルギス
などを理解できる捜査員が、日本の警察にどれだけ存在するだろうか。
仮に存在したとしても、あくまで通訳要員として警察に勤務しているだけで
あろうから、果たして彼らの通信を傍受して「テロを予見」することが
可能だろうか。

日本の暴力団を監視しているのとは、まるで別次元の話である。

4)英仏で防げていない
イギリスにもフランスにも、共謀罪に相当する犯罪が存在する
それでもテロを防ぐことは出来ていない。
2015年のパリ同時多発テロは予測しえなかったとしても、その後のフランスは
主にイスラム教徒を対象に警戒を強め、厳戒態勢となっていたはずである。
イギリスも先月に発生したコンサート会場での自爆テロ以降、厳戒態勢が
継続していた。
そもそもイギリスは、防犯のために監視カメラが多数設置されている
ことでも有名である。
それでも、防げないのだ。
「テロ対策」は現行法で充分、「共謀罪」ではテロを防ぐことが出来ない、
とあれば、その「共謀罪」を制定することには何の抑止効果も存在しない。

5)本気でテロを防ぐならば
日本には、現在のところ、イスラム過激派は入国していない。
よって、「組織的犯罪集団」によるテロは、オウム真理教地下鉄サリン事件
以降、一件も発生していない。
秋葉原や池袋で発生した連続通り魔事件を仮に「テロ」と定義づけたとしても、
単独犯なので「共謀罪」の対象外になる。
では、イスラム過激派によるテロを防ぐには、どのような対策が有効なのか。
答えは単純で、入国させないことである。
水際対策である。
税関の入国審査、通関の荷物検査をきちんと行い、空港に必要数の警察官を
配備しておけば、過激派の入国や火器の持ち込みを防ぐことは可能だろう。
というか、それしかない。
しかし、そうした対策の強化を政府が打ち出したという事実はない。
現実的に可能な対策をとらず、共謀罪」でテロ対策に充てるという
非現実的な立法対策を恣意的に選んでいるだけ
である。


前回ご紹介した高山佳奈子教授の著書『共謀罪の何が問題か』と、
小林よしのり氏の有料メルマガ『小林よしのりライジング』を読んだだけで
ここまで論点整理できた。
共謀罪」賛成派は、これらの論点において反論をしなければならない。
そして、共謀罪」にはこれだけのメリットがある、と具体的に提示する
義務がある。

漠然と「テロ等準備」を取り締まるためには必要だろう、という考えでは
ダメである。
「治安維持」できるのだから「治安維持法」賛成、と言っているのと
同じだ。

今後、新聞やテレビで「共謀罪」に賛成した人間の発言を、このブログで
まとめていく予定である。
その中には、学者や弁護士といった専門家から、発言の影響力のあるタレント
も含まれる。
彼らは自身の発言に責任を持っていなければならない。
後世の社会に多大な影響を与える可能性がある「共謀罪」に賛成していた、
という事実は、自身が誤りを認めて発言を撤回しない限り、永続的に残る。
我々は「本当にそれでよいのだな?」と、問責する眼を持っておかなければ
ならない。

マスコミを「第四の権力」とするならば、当然ながらその権力も国民の
監視対象になるからだ。

「共謀罪」は国民全般を支配する

共謀罪」という戦後最悪の法律が、法務委員会を省略するという
最低の手段で強行採決された。
海外では「今の日本は大丈夫なのか」と訝しく見られているだろう。
国民はともかく、中央政府のやっていることは中国や北朝鮮と同じだからだ。

共謀罪」についての知識を得るために、絶好のテキストが出版されていた。
京都大学法科大学院教授の高山佳奈子氏が著した『共謀罪の何が問題か』
(岩波ブックレット)である。

共謀罪の何が問題か (岩波ブックレット)

共謀罪の何が問題か (岩波ブックレット)

今年の5月19日に緊急出版されている。
政府の説明がデタラメばかりで、マスコミも問題点についてほとんど
報道しない(真剣に取り組んでいるのは「報道ステーション」ぐらい)ので、
高山教授としては相当に危機感が募っていたのだろうと推察される。
とにかく一人でも多くの国民に読んでもらい、正しい知識を得てほしい、
という思いが伝わってくる。
平易な文体を用い、分量71ページに絞り、価格を580円+税に抑えたのも
そういった思いからだろう。

これは全国民、必読である。
「自分には関係ない」と言い切れる国民は、
存在しない。

あるネトウヨは、ヤフコメ欄で
「まあ、悪いことをしなければそれでいいのだろう」
と書いていた。
こういうのを「頭の中がお花畑」という。
私は「脳内フローラ」と表現している。
政治権力と警察権力の恐ろしさが分かっていない。

ネトウヨの星・百田尚樹
「右派は共謀罪の取り締まりの対象にならない」
と思い込んでいるらしい。
そんな貧相な想像力で、よく作家稼業が務まるものだ。
本書の中には、右翼組織のメンバー20名が「道交法違反」で一斉に摘発され、
免許停止処分を受けた例が挙げられている。
警察にとって、左右の立場は関係ないし、政治思想の有無自体も関係ない。
共謀罪」の法の下に国民を取り締まることが出来るのであれば、
それ自体は「公務」なのだから、堂々と権力を発揮することだろう。

また、あるネトウヨは、やはりヤフコメ欄でこのように書いている。
「野党は重箱の隅をつつくばかり。対案を出さなければ議論にならない」

議論を拒否しているのは、バカネダこと金田勝年を法相辞任させない
政府の方なのだが、それは置いておく。

この「共謀罪」においては、対案など存在しない。
何故ならば、テロ対策もTOC条約締結も現行法で
充分可能だからだ。

そもそも自民党法務部会長の古川俊治は、
「テロ等準備罪の目的は、テロ対策ではない。TOC条約締結だ」
と『羽鳥慎一モーニングショー』の「そもそも総研」のコーナーで
明言していた。
実際に、共謀罪」の条文には「テロ」「テロリズム」という文言は
一切含まれていない。

よって、イギリスやフランスで発生したようなテロが起きたらどうするの?
という批判は、「共謀罪」の議論においては全く意味を成さない。

そして、TOC条約締結に関しては、ニコス・パッサス教授が執筆した
「立法ガイド」において、以下のように「共謀罪立法は不要」と
明記されている。
「(前略)共謀罪および結社罪のいずれの制度も導入することなしに、
組織的犯罪集団に対して有効な措置を講ずることを認める余地がある

つまり、現状維持が最適な選択肢なのである。

現状で何ら不都合が生じていないのに、政府は勝手に「共謀罪」を立法して
警察権力を強化しようとしているのだ。

ちなみに「共謀罪」の対象犯罪として、権力側に係る法や犯罪が、
ことごとく除外されている
ことは強調しておく。
例えば警察による「職権乱用罪・暴行陵虐罪」は含まれていない。
また、公職選挙法政治資金規正法、政党助成法、最高裁裁判官国民審査法
に関する違反も含まれていない。
組織的経済犯罪を念頭に置けば、当然対象になり得るはずである
たばこ税法石油石炭税法石油ガス税法航空機燃料税法揮発油税法
の脱税の罪も、何故か対象外である(所得税法法人税法消費税法は対象)。
相続税法独禁法も対象外。
見事に権力者、富裕層、大企業にのみ都合の良い構成になっているのだ。

ネトウヨは無知だから、いまだに共謀罪」は「左翼を取り締まる法律」
だと考えている。
安倍晋三を始めとする権力者は、右翼は大目に見てくれるはず、という
根拠のない思い込みを抱いている。
元々は「アカ狩り」が目的だった「治安維持法」も、「体制批判=アカ」
「言論人=アカ」「作家=アカ」「米国帰り=アカ」と一気に範囲が拡大
して
何でもありになってしまったではないか。
権力者は、滞りなく国民を支配できればそれでよいのだ。
左右関わらず、面倒な人間はパクってしまうのが最も楽なのである。

奇しくも、元TBS記者の山口敬之準強姦罪に問われ、逮捕状が出ていたにも
関わらず、「上からの命令」で所轄の捜査員は逮捕できなかった、という
事実が明るみとなった。
週刊誌記事によると、かつて菅義偉の秘書官を務めていた警察官僚の
中村格の指示だという。
これこそ、警察と安倍政権がつながっている、という何よりの証拠である。
今後は、安倍政権にとって都合の悪い組織や団体が、「共謀罪」の名目で
摘発されるかもしれない。

憤りながらいろいろと書いたので、ややまとまりを欠く文章になってしまった。
本来は、上で挙げた著書の中身にもう少し触れて、如何に政府が嘘ばかり
ついているか、はっきり書きたかったのだが、それは次回へ。

あと、権力監視の自覚がないマスコミや、責任感のかけらもない
ワイドショー出演者の批判を、次々回に書く。

「劣悪保守」百田尚樹の狂った発言: 共謀罪・日米安保

『朝生』の百田尚樹の発言を批判する記事を書いたら、コメントを
いただいた。
「溜飲が下がった」「もっと言ってやってくれ」とのことで、非常に
励みになった。
私ごときのブログが少しでも役に立ったのであれば幸いである。
そこでご要望にお応えして、続きを書く。

安倍内閣強行採決しようとしている「共謀罪」について、
国連特別報告者のジョセフ・ケナタッチ氏が
「プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れがある」
と懸念を示す書簡を日本政府に送付している。
政府はこの書簡にまともに取り合おうとしないが、マスコミは「共謀罪」の
問題点を追及する資料のひとつとしている。
百田はそれが気に入らないらしい。
何でもよいからケチをつけたい、という浅はかな考えから発せられたのが、
無知とバカを晒したこの発言。

国連特別報告者って誰ですか?」
「その人物の思想的背景は?」

どうも「報告者」という肩書きから、単なる一個人の見解なのではないか、
と言いたいようだ。
しかし、新聞を読んでいれば、そんな軽い文書ではないことが分かる。
国連特別報告者とは、特定の国やテーマ別の人権状況について、
事実調査・監視を実施する役職
で、国連人権理事会が任命する。
自身の国籍や宗教とは無関係に、「公」の立場から人権問題について
取り組む存在だ。

ケナタッチ氏の言葉は、国連人権理事会の言葉そのものなのである。
特定の「思想的背景」に振り回されているわけではない。
振り回されているのは「劣化保守」に凝り固まっている百田の方」である。
そもそも、「公」の職務に当たっている人物について、「思想的背景」云々
と語ること自体、国連に対する侮辱ではないか。

さらに百田は、まさにネトウヨそのものともいえる「憶測(あるいはデマ)
のみに基づく発言」を堂々と行っている。

「左翼が国連共謀罪について報告した、と聞いている」

何だ、この伝聞情報は?
百田は国連の情報ネットワークを閲覧できる立場にある、とでも
言うのだろうか?
第一、共謀罪に反対=左翼」という結びつけが、あまりにも短絡的で
バカバカしい。

議論を重視する民主主義を守るためにも、言論や表現を萎縮させては
ならない。
だから、真っ当な「保守」は「共謀罪」に反対して当然なのだ。
「保守」は国体を保守する立場である。
権力を保守しようとする人間は、「保守」ではない。

百田はそれが全く分かっていない。
井上達夫氏に
共謀罪が成立してから、左翼政権が誕生すると、君達右翼の活動が
取り締まりを受けることになるのだぞ」

と言われても、
「そんなことありませんよ」
と根拠のない受け答え。

井上氏は「リベラル」だが、さすがに抜群のバランス感覚をお持ちである。
左右というポジションではなく、権力を徒に増強することに問題がある、
という本質を突いてきた。
百田にはそれが理解できない。
安倍晋三自民党を支持することこそが正しい、と思い込んでいるから、
権力が本質的に内包している危険性というものに無頓着である。

議論はさらに安倍晋三が提言した「憲法9条改正」に進んだが、
それに関連する「日米安保」について、百田は驚くべき発言をした。

日米安保は、日本の丸もうけでしょ」

その理由は「アメリカが米軍と基地の費用を出しているから」なのだとか。
井上氏が
「君は本当に右なのか? 国内に米軍が駐留して、護ってもらっている状況に
何も感じないのか?」

と批判されると、
「でも、(自主防衛は)むっちゃカネかかるんですよ!」と。

お前が重視するのはカネかい!!
「丸もうけ」ならば、主権を奪われていても平気なのか?
カネがかかるから、自主防衛を放棄してアメリカの属国になるのか?
こんなことを平気で発言できる人間は、「保守」ではない!
むしろ、国を護るために一切血を流したくない、という甘っちょろい
「平和主義」という名の「左翼」と同じ
ではないか!

井上氏が上のコメントをぶつけているとき、百田は相当に動揺したのか、
顔を横に向けてストローでお茶を飲んでいた。
切れ味鋭い「言葉の力」に圧倒されて対面できず、同時に気持ちを
落ち着けるために何かを口にしたい衝動に駆られたのだろう。
素人でもそれぐらいの心理分析は出来る。
完全に井上氏の「一本勝ち」だった。

番組終了後、百田はツイッター
「ギャラが低いので、2倍に上げてもらった」
と、驚愕の内幕を暴露した上で、
「あの番組にはもう出ない」
と宣言した。
「公」のために議論を深めるのが『朝生』の趣旨であり、
ギャラは付いてくるものにすぎない、というのが出演者の共通認識だと
思うが、百田はギャラにこだわりたいらしい。
「もう出ない」のは、ズタボロに論破されたからだろう。

ツイッターではフォロワーから
「(井上氏に対する)あの切り返しはさすがでした」
とチヤホヤされていたが、恐らくそういったクローズド・サークルで
チマチマと発言して「お山の大将」を気取ることしかできないのだろう。
まさに「井の中の蛙」が外に出てみたら、立て続く大波にさらわれて
何も出来なかった、という惨憺たる有様だった。

ここ近年で「保守の劣化」がどんどん進行している。
自分の頭で考えることを放棄し、ファッション的な感覚でイデオロギー
嵌まる
から、「劣化保守」「アナクロ保守」に飛びついてしまう。
本を読まない人間、ツイッターの字数より長い文章を読めない人間が、
ネット上の同調圧力に負けてネトウヨ化していく。

百田はプロの作家のくせに、自分の「ネトウヨ的言論」を著した本を
書かない。
SAPIO』『WiLL』『Hanada』のような「ネトウヨ御用達雑誌」に寄稿するか、
ツイッター発信するだけである。
周囲にイエスマンしか置いていないから、議論にやたら弱い。
普通ならばこんな人間は言論界から放逐されるのだが、それをフォローして
しまうのがネットの恐ろしさである。

無知とバカ同士で寄り合っている状況は、まさしく今の安倍内閣と相似形
であるように思う。

「加計疑獄」で安倍を保守したい人たち

『朝生』の百田尚樹発言を批判していこうと思っていたが、やめることにした。
こんな小悪をネタにするだけ時間の無駄というものである。
それより、「加計疑獄」がスゴいことになってきた。

とうとう文科省の職員が「総理のご意向」文書の存在を認めてしまった。
複数の部署で共有していた、と証言している。
ならば共有フォルダに保存されているのではないのか。
たった半日程度で終了してしまった「調査」の実際に、大きな疑問符が付く。

しかも、ここに至っても自民党は「再調査」の要求に応じない。
菅義偉は、
「私の知り得る事実しか発言していない。それ以上でもそれ以下でもない」
という答えになっていない答弁を返している。
文科省職員の証言は、朝日新聞毎日新聞も一面トップで報じているが、
それは「知り得ない事実」なのか?
「知り得ない」のならば、それこそ再調査を行って白黒はっきりしなければ
いけないではないか。

しかも、読売新聞は先月末に、決意の告発を行った前川喜平前事務次官
人格を貶める記事を掲載した。
例の「出会い系バー」に通っていた、というやつである。
あくまで法の範囲内であれば、事務次官であろうとも公務を離れてからの
私生活において、どのようなサービスを利用しようと批判されるいわれはない。

これが問題になるのであれば、公務員はエロ本を買うこともアダルトDVDを
借りることもできなくなる。
むしろ、第四の権力とも言うべきマスコミが、国民の私生活を報じたという
方が大問題
である。

この報道に対して前川氏は「女性の貧困問題を調査していた」と述べたが、
何とそれが言い訳ではなく、事実だということが「週刊文春」の記事で
判明してしまった。
前川氏は週1~3回のペースで「出会い系バー」に通っていたが、
店内に滞在していた時間帯は21時からであり、完全に勤務時間外である。
0時まで滞在して飲食をして帰るだけのことも多く、常連の女性からは
「あの人は何をしに来ているのだろう?」と疑問に思われていたらしい。

その中で、何人かの女性とコンタクトをとって店外に連れ出したが、
女性と食事やお茶をしながら人生相談に乗っていただけで、
性行為は一切ない。
しかも、帰り際に五千円程度のお小遣いまで渡していた。
「女性の貧困問題の調査」は真実だったのだ。

同時に前川氏は、貧困家庭の小学生の勉強を手伝うボランティアに
参加していた。
文科省のトップとして、実に「公務員の鑑」とも言える活動を
行っていたのである。

菅は記者会見で、前川氏について
「権力に恋々としがみついていた」
事務次官が出会い系バーに通うなど、常識的に考えられない」

と発言し、公然と人格攻撃を行っている。
現在は一私人に過ぎない人物を権力が攻撃するなど、民主主義国家では
有り得ない事態だ。

要は前川氏の告発が、あまりにも都合が悪すぎるのである。
証人喚問に出られたら、ひとたまりもないのだ。
だから「こんな人物の証言など、信用するに当たらない」という態度を
貫く以外に方法がないのだ。

これは全て、安倍晋三を守るためである。
安倍晋三を守るのは、自己保身のためである。
権力に恋々としがみついているのは、
安倍内閣の方である。

読売新聞が「出会い系バー」の報道を行ったのは、当然ながら安倍内閣への
援護射撃である。
国民に背を向け、権力にこびへつらう御用新聞に成り下がってしまった。
5月3日に安倍晋三の「改憲案」についてのインタビューを掲載し、
安倍の「読売新聞を熟読してください」という発言が問題となったが、
どうやら読売新聞は安倍の太鼓判を貰ったのがよほど嬉しかったようだ。

この「出会い系バー」報道に関しては、さすがに購読者も違和感を
抱いたらしく、批判が相当数寄せられたようだ。
それに応えるかたちで、6月2日に掲載されたのが社会部長の反論記事で、
「出会い系バーに通うのは、一般常識の上で次官時代の不適切な行為」
「報道すべき公共の関心事」

と主張している。
しかし、元読売新聞記者の大谷昭宏氏は、
「新聞が公共性・公益性のある記事を書くのは当然のこと。
社会部長がわざわざ公共性を主張するのは、新聞の自殺行為」

と批判している。

私はこのブログで、安倍の「熟読」発言に読売が抗議しなければ読売は死ぬ、
と書いたが、その通りになってしまった。
渡辺恒雄だけでなく、政治部長安倍晋三と会食しているそうだから、
まさしくズブズブの関係なのだろう。
読売新聞で読む価値のあるものは「コボちゃん」だけではなかろうか。

関西ローカルの『おはようコール』という番組では、「加計疑獄」について
以下のように表現していた。
「安倍首相は岩盤規制にドリルで穴を開ける、と言っていたが、
加計学園問題の隠蔽こそが岩盤である。
文書、前川氏の証言、文科省職員の証言という3つのドリルでも不充分なのか。
マスコミは粘り強くこの問題を追いかけていかなければならない
実にアッパレな姿勢である。
岩盤規制を批判していた安倍晋三が、岩盤隠蔽に走っているという見立ては
見事だ。

「森友疑獄」と同様、「加計疑獄」も「劣化保守」をあぶり出す
リトマス試験紙のような役割を担うことになった。
「劣化保守」は「安倍保守」と言い換えても良い。
安倍晋三を保守」したいだけである。
信念を失ったメディア、「公」に与しない政治家には見切りをつける
べきである。

「劣悪保守」百田尚樹の狂った発言: 天皇問題

5月26日(金)の深夜に放映された『朝まで生テレビ!』を録画して見た。
非常に興味深い内容だった。
安倍晋三を必死に支持している「劣悪保守」の酷さが際立った内容だった。

酷かったのが、初出演だという百田尚樹である。
同じ関西人としてまことに恥ずかしい。
今回は、百田批判で終始することになると思う。

最初に「女性宮家の創設」が議題となったが、田原総一朗氏が百田に
天皇陛下の「おことば」を聞いたかと尋ねると、悪びれもせずに
「聞いてない」
と答えたのだ。
仰天発言である。
尊皇派ならば居ずまいを正して聞くはずだし、物理的にリアルタイムで
聞くことが不可能でもニュース映像やネット映像に接することは可能だ。
陛下が何をおっしゃるのか、無関心でいられるはずがない。
そんな人間が、よくあの場にいけしゃあしゃあと出られたな、と
呆れてしまった。

そして予想通りに「男系固執を主張。
天皇家は古代より男系継承がずっと続いているから」というのが根拠である。
ただし、百田は圧倒的に知識不足だった。
恐らく「男系継承」というイデオロギーに魅せられているだけなのだろう。
よって、具体的な知識に基づいて批判されると、まともな反論が出来ない。

田原総一朗氏は、皇祖神が天照大神であることを述べて、古代においては
「男系継承」の概念などなかった、と主張。
小林よしのり氏は、天皇」という称号が初めて用いられたのは
女性の推古天皇の時代だった、
と主張。
井上達夫氏は、皇室のしきたりは一貫して不変のものではなく、
明治時代に「皇室制度」は大幅に改正されている、と主張。
百田は「明治の改正」は些細なものでしかなかった、と反論するのが
やっとであった。

小林氏は他にも古代の天皇の名前をすらすら出しており、さすがに神道学者の
高森明勅氏と共闘されているだけのことはある。
弁護士の萩谷麻衣子氏も、昨年よりかなり天皇について勉強していたらしく、
「象徴天皇」についての深い見識を示していた。

百田は「天皇制」について何も分かっていない。
皇室典範改正について、
「なんで、制度を変えなあかんの?」
と、子供のような疑問を投げかける。
「制度」ではなく「法律」なので、これを改正しなければ「女性宮家」も
「女性・女系天皇」も実現しない、ということは今や国民の常識である。

さらに百田は、
天皇は制度を改正して欲しいなどとは、一言も言っていない」
と平気で言ってのける。
これにはお仲間の「劣悪保守」も驚きだったろう。
そもそも、天皇は政治的機能を有しない、と憲法に規定されているので、
「~して欲しい」という要望は公には出せない。
それを曲解して、あのビデオメッセージ自体が憲法違反だ、と騒ぐ
知識人も存在するぐらいだ。
しかし、百田の認識はそれ以下だった。
新聞を読んでいるのだろうか。

また、毎日新聞がスクープとして報じた「陛下がショックを受けられた」
という記事についても、
宮内庁関係者というのでは、真偽の程が分からへん。週刊誌記事と同じ」
と切り捨ててしまう。
新聞だろうが週刊誌だろうが、事情によって個人の名前を出せないけれども
ニュースバリューは高いのでそのまま報じる、
というスタイルは、
今に始まったことではない。
特に陛下の「生のお声」を報じるというのは、先述した憲法の規定もあって
非常にシビアな問題である。
だから「宮内庁関係者」とだけ表記しているのだ。
やはり、新聞を読んでいるのだろうか、という疑問が絶えない。

恐ろしいのは、
「なんで、そこまでして天皇の意思を忖度せなあかんのです」
という主張。
発言が制限されているからこそ、我々国民が陛下の意思を忖度していく
ことにより、天皇と国民が共に尊重し合う関係を構築することができるのだ。
陛下に対する忖度を拒否し、安倍晋三に対する忖度を容認するというのは異常である。

素人の私が、作家の百田尚樹のコメントを論破できてしまった。
というか、あまりにも低レベルすぎて、こうしてわざわざ書かねばならない
ことなのだろうか、と思い悩んでしまった。

これで、はっきりした。
百田尚樹天皇に楯突く逆賊である。
左翼陣営である田原総一郎氏、井上達夫氏、佐高信氏らの方が、
よほど天皇陛下や皇族のことを考えている。

実際、天皇の問題を前にすると、左翼や右翼というポジションはほとんど
無関係
になる。
尊皇心があるか、ないか、である。
尊皇心がない人間は、いかに「2000年以上も続く皇統の素晴らしさ」を
訴えていても、反天皇論者である。
自分の「認識」や「感覚」の方が、陛下の知識やそこから生まれる思いよりも
優先する、
と思い込んでいるエゴイストであるからだ。
天皇と皇室はこうあるべき」というエゴを叫んでいるだけにすぎない。

エゴイストという点においては、極右も極左も根っこは同じである。
百田は極右であり、極左でもある。
まあ、言論が劣化しているので、どちらでもよいが。
ただ、現在は「右翼バブル」なので、「右翼」の看板を掲げている百田が
ネトウヨに持てはやされているだけに過ぎない。
「右翼バブル」がはじけたら、この男はどうするつもりなのだろう。
バブルに乗って好き放題発言してきた内容に、責任をとれるのだろうか。

天皇の問題だけでこれだけの分量になってしまったので、今回はここまで。
一回でまとめられると思っていたら、甘かった。
この後に「共謀罪」「憲法9条改正」「加計学園問題」の議論が続いたので、
そこでの百田の妄言も拾い上げていく。

安倍内閣打倒に向けたプレリュード

この5月はあまりにも色々なことが起こりすぎた。
新聞記事をせっせと切り抜いているが、スクラップ作業が追いつかない。
まさか5月1日から8日までの一週間余りだけで、スクラップブックを
一冊使い切ることになるとは思いもよらなかった。
もちろん、ほとんどが安倍政権の悪行三昧に関する記事である。

書きたいテーマが次から次へと増えていくが、なかなかまとまらない。
読書もしているので、書く時間を確保できない。
しかし、ここのブログ主が更新が面倒になって書くのを放棄してしまった、
と思われてしまうのも良くないので、報告がてらプチ更新をさせていただく。

実は先週の5月20日と21日の2日間、今までになかったほどのアクセス数を
記録した。
実に一日で200超である。
これまでは一日に20程度でしかなかった。
また、はてなユーザーの方がこのブログの「読者登録」をしてくださった。
時期的に見て、5月19日に「共謀罪」が法務委員会を通過した、という
ニュースで、安倍政権の民主主義破壊に危機意識を抱いた方が増えたのだろう
と思っている。

加計学園問題」でようやくマスコミも安倍政権に批判の目を向けるように
なったが、相変わらず「民進党がだらしない」というステレオタイプの
コメントが聞かれる。
言っておくが、民進党の奮闘ぶりを過小評価してはいけない。
もし、民進党がここまで頑張っていなければ、「共謀罪」はとっくに
成立してしまい、「森友問題」も「加計学園問題」も闇に葬られてしまった
だろう。
共産党は自分たちのことしか考えていないので、全く信用できない。
社民党も同様だ。
自由党は「反対」の意を出すだけで、積極的に審議に参加しない。

独裁政治を防ぐために、力のある野党は絶対に必要である。
それは我々国民が見守り、育てていかなくてはならない。
「どうせ民進党に投票しても死に票になる。支持したって何も変わらない」
ニヒリズムに陥ってはならない。
戦時の全体主義は、政党政治が崩壊したところから始まったのだから。

漫画家の小林よしのり氏は、有料メルマガ『小林よしのりライジング』で
現在、安倍晋三自民党およびそのシンパの悪政、問題発言などを
リストアップしている。
第2次政権のみに限定した上で、2回ほどで完了すると思っていたそうだが、
先週の3回目でようやく2015年にさしかかったところである。
安保法制も伊勢志摩サミットも消費税増税延期もまだ残っている。
民主党政権よりもマシ」「他に適した人材がいない」というネット世論
反発するかたちで始めた作業だが、これを延々と続けても読者がうんざりする
のではないか、と気を揉んでいる。

ただ、こうして安倍政権の酷さを分かりやすく明記する作業は、意義がある
ものだと思った。
小林氏がこの作業を一旦中断する可能性もあるので、僭越ながらこのブログで
2017年に入ってからのリストを自分なりに作成して発表しようかと思っている。
記事をスクラップで保存しておいたのが功を奏した。
前川喜平前文科省事務次官の勇気ある記者会見を見て、刺激を受けた。
「個」として言論を続けていかなくてはならない。

現在の日本は、極めて幼稚な独裁政治に陥りつつある。
幼稚であっても、国民の「考える力」を奪い、戦意喪失させる効果はある。
戦後最悪の内閣を打倒せねばならない。
このブログが、国民の「考える力」を醸成するのに微力でも役立てば
幸いである。

安倍晋三による民主主義の破壊行為

連休が明け、国会で集中審議が始まった。
安倍晋三は相当に驕り高ぶっているのだろう、という態度だった。
恐らく北朝鮮危機で内閣支持率が高止まりしていることが要因なのだろう。

民進党は、籠池氏(前理事長)が財務省の田村室長と交渉を行った時の
音声データを受け取った上で、籠池氏に対してヒアリングを敢行した。
それらで得た情報を元に、「森友問題」について反撃ののろしを
再び上げた。
しかし、安倍は「いつまでこの問題にこだわるのか」というスタンスで
まともに答弁しようとしない。

顕著だったのは「昭恵夫人森友学園とずぶずぶの関係だった」と
指摘されて、「ずぶずぶなどという品のない表現を使わない方が良い。
そんなことだから民進党の支持率は低い」と、得意の民進党ディスり答弁
展開した。

今更言うまでもないことだが、国会という言論の府において党の支持率など
関係ない。

選挙で国民の代表として選ばれた代議士である以上、その言葉は国民の声を
代弁していると見なす
必要がある。
支持率の低い政党であろうと少数政党であろうと、その原理は同じである。
党そのものの悪口を言うのは、政党政治の原則を無視している。
恐らくこの手の発言がネトウヨに受けているので、調子に乗って続けて
いるのだろう。

「ずぶずぶ」は確かに品のない表現ではあるだろうが、いずれにせよ安倍は
自身および昭恵と森友学園との関係について説明責任を果たさなければ
ならない。

昭恵はFacebookで、誰が書いたか分からない釈明文を掲載した後、
沈黙を続けている。
民進党は記者会見、参考人招致、証人喚問を要求しているが、
自民党は一貫して拒否。
昨日は籠池氏の参考人招致自民党は認めなかった。

籠池氏はヒアリングにおいて、財務省と交渉していた時期に昭恵に対して
「その都度報告していた」
と答えている。
籠池夫人は特に昭恵と昵懇の仲で、電話で長時間の会話に及ぶことも
しょっちゅうだった
という。
昭恵は森友学園の教育方針に感激していたので、小学校設立の計画に際して
「何かできることはありませんか」と自ら積極的に関与しようとしていた
節がある。

安倍は一貫して籠池氏を嘘つき呼ばわりしているが、籠池氏が提供した
音声データは「本物」と財務省は認めた
ので、無視し続けるのは無理がある。
籠池氏サイドからこれだけの証言が出ているのだから、それを受けて
昭恵や迫田秀明(当時の財務省理財局長)の証言を聞く必要があるのは
当然ではないか。
この二人を証人喚問で問い質せば、関与の有無はたちどころに明らかになる。
悪魔の証明」と言って逃げ回ることはできなくなる。

さらに安倍晋三の傲慢ぶりが表れたのが、「読売新聞を熟読しろ」という
大問題となる発言である。

そもそも、ビデオメッセージと読売新聞のインタビューは
自民党総裁」という立場で言葉を述べており、国会では「首相」という
立場となるので真意を述べられない、という理屈がよく分からない。
「首相」ならば公の場で持論を展開してはいけない、ということなのか。
ならば施政方針演説などはどうなるのか。

それに伴う「読売新聞発言」は、行政府の長である最高権力者が
特定のメディアにしか真意を語らない、と明言した
も同然である。
恐らく出来上がった原稿も校正したのだろう。
正しく真意が書かれている、と確認したからこそ、ここまで自信満々に
「熟読しろ」と言えたのだ。

権力者がインタビューを受けるメディアを恣意的に選択する(恐らく
思想的立場を考慮して)ということは、あってはならない。

権力者とメディアが「ずぶずぶの関係」として結びつくことの
始まりである。
戦時日本がその状態であり、当時の新聞は政府と大本営の広報紙と化した。

本来ならば、読売新聞は安倍の発言に抗議しなくてはならない。
しかし、主筆渡辺恒雄が安倍と「ずぶずぶの関係」だろうから
無理だろう。
安倍の発言を受け入れた時点で、読売新聞はメディアとして死を迎えた。

同時に、安倍は国会での議論を無視したのだ。
ビデオメッセージもインタビュー記事も自身の考えを一方的に述べたものだ。
「自分の言いたいことは既にこちらで述べてある」というのでは、
議論が成り立たない。

恐らく、野党には力がないから、うまいこと自身の答弁を避けておけば
あとは憲法審査会の方で「忖度して」くれるだろう、
という思惑ではないか。

安倍は、「9条を改正した」というレガシーさえ残ればそれでよい、という
考えを持っているのみである。
自民党改憲草案の「2項削除・国防軍の規定追加」は簡単に議論が決着する
ものではなく、自身の任期終了までに間に合わない可能性が高い。
だから、比較的賛同の得やすい「自衛隊の規定追加」に変更してしまった。
ポリシーもへったくれもないスタンスだが、そういった打算的な考えを
見抜かれては困るので、真意の明言を避けるのだ。

そのために利用したのが、読売新聞である。
別に産経新聞でも良かったのだろうが、読売新聞は独自の改憲草案を
たびたび紙面で発表しているので、自身の意図が伝わりやすいと
考えたのかもしれない。

日本国民は、民主主義国家の国民として、
権力者の安倍晋三に抗えるだろうか。

日本国が死を迎えるかどうかの瀬戸際が、この平成29年に一点集中している
ように思う。